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フランス・ななめ見聞録 & La Prose oblique du Japon
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DATE: 2011/06/15(水)   CATEGORY: 美術館 le musee
スキャンダルなマネ。オルセー美術館マネ展
19世紀フランス絵画史において最重要人物のひとりとされる、マネ(1832~1883年)。

印象派の中に含まれる場合があるが、厳密に言うとそういうことではない。事実、マネは印象派のサロンには一度も参加しておらず、後に印象派の中核となる後輩画家達、とりわけ、モネ、ルノワール、弟の妻となるベルト・モリゾらとは親しく、彼らから柔軟に影響も受け、アルジャントゥイユやジュヌヴィリエで屋外制作もしていたが、そもそも印象派とは異なる表現を追究し、独自の路線を保っていた。目新しい色彩技法や、光の表現にも特別な効果をほとんど使わない <現実> 表現の仕上がりに抜きん出ており、それまでの伝統的な描き方を打ち破る自由な筆致や、いち早くジャポニスムを受容したりといった挑戦的な姿勢が、印象派を担う画家達から礼賛され、それ以降の美術史に大きな影響を与えたと言われる所以。

マネ作品はしばしば、スキャンダルとなった。

マネの代表作のひとつ「オランピア」(1863年作)

ManetOlympia.jpg


イタリアの巨匠ティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」(1538年作)から影響を受けた構図の作品。

ManetVenusUrbinoTitien.jpg



裸婦像は、同時代のブグロー(Bouguereau 1825~1905年)のようなアカデミックなスター画家の描くものが芸術として認められていた頃。裸婦は宗教、神話、歴史的な要素を帯び、理想的に美化されて描かれることでのみ、崇高なモチーフとなり初めて絶賛の対象となっていた。





「オランピア」は、そこに横たわる女性は、女神でもニンフでもなく、生身の人間の裸体であり、挑発的な眼差しでこちらを見つめるオランピアは <現実にいる女の姿> で、エロティシズム感、満載。現に、裸体に残る宝飾品とサンダルが生々しさを増し、一足先に花束を贈ってきた客を今から迎えようとしているような情景はリアル。それは、当時オランピアという名前が娼婦に多かったため、社会背景を反映したこのような想像が容易かったこともある。
召使いとして描かれた黒人の女性は、神話などとは遠いイメージを醸し、やはりとても日常感を増す。
女性の足元に描かれた黒猫は女の気まぐれな心理か、男性のシンボルかー。少なくとも「ウルビーノのヴィーナス」の足元に丸まっている犬が忠誠を表すとすれば、真逆に捉えられるかもしれない。猫のしっぽは、左右反転「?」マークのようにも見え、この絵の解釈を掻き乱すべくクリッと描かれたように思える。

どこを切り取ってもスキャンダラスである故に、絵画アカデミー界は驚愕してしまった。
が、この作品は「近代美術の創始者」と本展のタイトルにもあるように、近代絵画史への幕開けともなる位置付けの重要な一枚となった。本作のすぐ横には、「オランピア」を描く前年~数年内の、油彩画「黒人の女」や、淡彩の習作「猫のいる女性像」など関連作品も掲げられている。


44歳頃から梅毒とリュウマチに苦しみ始め、左足は後に切断、壊疽により51歳と早くに没したマネ。400枚以上の油彩、水彩、パステル、エスキースなどを残し、今はパリのパッシー墓地に眠っている。

実際、オルセー美術館所蔵のマネ作品は多いが、マネと周辺を取り巻いた人物や社会との関係、有名な作品背景をまとめた展覧会構成が興味を惹く。常設展示室にもマネ作品はありまーす。



Manet, inventeur du Moderne
マネ、近代美術の創始者


4月5日~7月3日(延長決定。これより延びます)


Manet3.jpg

オルセー美術館
入口:1, rue de la Légion d'Honneur 75007 Paris
http://www.musee-orsay.fr/

開館時間:9h30~18h(木曜は21h45まで)
※モネ展は、土曜は20hまで。
休館:月曜
マネ展への入場料:一般10ユーロ(常設展、他特別展への入場可)


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