フランス・ななめ見聞録 & La Prose oblique du Japon
フランス・ななめ見聞録 & La Prose oblique du Japon
DATE: 2009/11/16(月)   CATEGORY: 美術館 le musee
パリでみるオランダ絵画〜レンブラントからフェルメールまで〜
マドレーヌ寺院近くのピナコテック(パリ絵画館)で「L'Age d'or hollandais オランダ黄金時代 〜レンブラントからフェルメールまで〜」をみた。




ちょうどランチタイムにさしかかるところ、午前遅く、だったので「人は少ないかな?」と淡い期待を寄せたが無情にも長蛇の列!
ここはパリ、世界中から人が集まることを忘れてはいけない、しかも土曜日。

思ったよりは列が早く流れ中に入れたものの、館内もすごい人。運悪く団体客とぶつかる。
そして何よりも、今回の展覧会は丹念に描かれた細密画が多い!

すなわち1枚1枚をじっくり時間をかけて、フーン!とハナイキも吹きかけそうになりながら接近して観る、ということ。「早くどけろ〜」と他の客に後ろから念を送るんだが、ようやく自分が絵の前に踊り出ると、やや腰をかがめて小さくなりはするが(元々背は小さいけど)、いつまでもかじりついて離れない。嫌なヤツだ。

「レンブラントからフェルメールまで」ってサブタイしているが、フェルメールは元々制作数も少ないわけで、今回ピナコテックにやってきているのは1枚のみデス。ま、本物を見るということには意義があるし、貧乏でオランダまでは行けないので、割引価格8ユーロでは「いいもの見た」と思える。もちろんレンブラントやフェルメールのみならず、緻密に描かれた作品の多いオランダ黄金期の作品は見応えがある。

PINACOTHEQUE1.jpg


なお、ルーヴル美術館には、フェルメール作品は、レース編みのお針子さんの絵があるね。サイズはとても小さくて、額縁も木製の花が散りばめられて職人技が光るステキな一品。
それと、確か確か、アストロノムも。天文学者が描かれた作品。



本展覧会のカテゴリーは、田園、農村の風景、当時の生活スタイルをうかがえる風俗画、ポートレート、などなどで、多分、生活の一部をパチッと切り取った風俗画が見ていておもしろいかな。活気の魚市場、村の祭、ソックスを履く(or脱ぐ)トワレット中の女、子どものシラミとりをする母親、ラブレター受領!などなど。

とにかく、徹底的に細かく描かれた画面は、本当に前のめりになって見入る見入るー。
透けそうな花びらの一枚一枚、切れそうな蜘蛛の糸、ガラスに映り込んだ室内、割ったパンの表面、それを狙うネコ、ぶどうの一粒に反射する光。


絵画史上には細かく描いた絵なんてごまんとあるが、この期のオランダは見ていて疲れないし、どこまで描けるか「トライ」的雰囲気があっておもしろい。時間をかければ細密画は誰にでも描ける、描写力と忍耐の問題だけど、この時代の生活のシンプルさと、素朴な日常を切り取ったスナップ写真的なのが厚かましくなくて良い。


なお、ピナコテックの良かった点は、作品に照明の反射が少なく、比較的見やすい展示であること。人数制限はそれほど厳しくしていない点は微妙、人がすごい。かといっていつまでも待たされるのも嫌だけど。

どうぞよいタイミングで行ってくださーい。

2010年 2月7日まで



マドレーヌ広場のフォーションの隣。
天下のフォーション、昼に店内に入ったことがない。閉店後のパーティに行ったことがある。

PINACOTHEQUE9456.jpg

PINACOTHEQUE DE PARIS
28, Place de la Madeleine 75008
TEL / 01 42 68 02 01
http://www.pinacotheque.com/

料金:一般10ユーロ、割引8ユーロ
開館時間:
Tous les jours 毎日→ de 10h30 à 18h00 (fermeture des caisses à 17h15).
Vendredi 25 décembre 2009 et vendredi 1er janvier 2010, ouverture 12/25と1/1は→ de 14h à 18h.
Nocturne tous les premiers mercredis du mois jusqu’à 21h まで←毎月第一水曜日。 (fermeture de la billetterie à 20h15).

À partir du 20 novembre ※11/20からは :

Le musée ouvrira ses portes de 時間→ 10h30 à 20h.
Nocturne le mercredi et le vendredi jusqu'à 22hまで←水曜と金曜.


[ TB*0 | CO*0 ] page top
DATE: 2009/11/04(水)   CATEGORY: 美術館 le musee
パリアートサロンArt en Capital
グラン・パレのアートサロン、Art en Capital http://www.artencapital.fr/ のヴェルニサージュ(オープニング)に行ってきた。ギャラリー単位ではなく、5参加アート団体に登録しているアーティスト個人レベルの展示になっている。
偶然、友人知人、アーティストに会ったりしたので、それはそれで楽しめた。
が。



疲れた。
画像は、終わってすっかり忘れたころにはのせられるかと思うが(雰囲気画像のみだけど)、大きなサロンは疲れた体にさらにヘトヘト感をのっけてくれる。早く寝たいところだけど、そんなに良かったとも言い切れなく、やり切れなさを書きたいのかも。インヴィテーションがあっても結局長蛇の列に並ぶし(思ったよりはさっさと動いていたけど)、まともに入ろうとすると一般で10ユーロする。アーティストもピンキリで、そんなに払って入るなんて博打より当たりの確率は低いんじゃないか。
彫刻はおもしろい作品がわりと見られるけれど、ボリュームとフォルムがあるぶんインパクトを与えられるから得とも言える。絵画は本当にもう、理解不能なものが多いので流し見するしかない。

それというのも、展示方法の、この主義はいかがなもんか、作品の脇に小さくタイトルと名前(名字のみ!)の紙が貼ってあるだけ。
あぁ、作品についてもアーティストについても、何にもわかんない。作品を買いたいなら名前を控えて本部に持って行けばいいわけだけど、ただ情報を得るというのはとてつもなく面倒な作業となる。

日本人の出展も多くて、いったいどういう経緯なんだろうと不思議。
在パリもいれば、日本から参加のアーティストもいるんだろう。
でも何しろ、何千作品とあるうちの1作品に、どれだけ魂がこめられているのかも、観覧する側はいっさいわかんなくて、何にも伝わってこないんである。権威(というか単に歴史)あるサロンに出展するのは悪くないだろうけど、高い出展料払うんだったら小さくてもギャラリーの方がいいように思う、難しくても方法はある。
なぜなら、大きなサロンに例えば2万人が見にきても、2万人が素通りする可能性はあるってことだから。そう思えた作品が、日本のものに限らず、多いということ。


秋は企画展やサロンが多い。芸術の秋ってことかな。夏は新しいことなんて始めたくない、誰も働きたくないからで、夏のバカンスが終わったら一気に加熱する。



Art en Capital
2009、11月9日まで
[ TB*0 | CO*0 ] page top
DATE: 2009/11/01(日)   CATEGORY: 美術館 le musee
パリ美術館、今日から11月
11月になった。

毎月第一日曜は、いくつかの美術館で入場無料になる。
例えば、ルーヴルやオルセー、国立近代美術館(ポンピドゥ)、クリュニー(中世)、ギュスターヴ・モロー→このブログ内、エレガントな螺旋階段のギュスターヴ・モロー美術館http://rimaik.blog93.fc2.com/blog-entry-368.html、ドラクロワ、ギメ、などなど。

ただし特別展、企画展は無料にならないのであまり役立たない。無料の範囲で入れるものにはもうだいたい入ったし、今見たいものは全て企画展だし。
ちなみに、市立美術館(プチ・パレ)や市立近代美術館の常設展、カルナヴァレ美術館なんかはいつでも無料。


見たいもの、は、わりと大がかりな企画展なので、今日は午後あいた時間に小ぶりの展示を何か見ようと思って、ジュ・ドゥ・ポーム→このブログ内、ゲイポップカルチャーを牽引したピエールとジルhttp://rimaik.blog93.fc2.com/blog-entry-187.htmlに行った。映画界の、何だろう、「ポップ・オヤジ」?フェリーニの企画展。

***

土曜にジャックマール・アンドレ美術館に行った。メムリンク、ブリューゲルらの特別展をやっている。が!長蛇の列だったので止めた!!やっぱ土曜なんかに行っちゃダメだなぁ。
その時に用は無いけど足をのばしたシャンゼリゼ辺り。人が多かった。。

chamselyse20091031_9183.jpg凱旋門

chamselyse20091031_9184.jpgカルチエ前
[ TB*0 | CO*0 ] page top
DATE: 2009/10/31(土)   CATEGORY: 美術館 le musee
ジャン・ムーラン美術館 <モード・1940〜1944>
時間の無いパリ旅行では決して行かないだろうと思われるマイナーな美術館、「ルクレール元帥とパリ解放記念館 & ジャン・ムーラン美術館」。1994年にオープンし、モンパルナス駅の真上に、ふたつの施設が繋がって立っている。

jmblog20091017_9123.jpg



なんでマイナーかというと、「1940年〜1944年」という、フランスにとって重要な歴史的時代をテーマにしており、日本人にとっては面倒くさいし、馴染みがないから。この時代は「ドイツ占領下時代」であり、パリを始めフランス各地、および世界を巻き込んだ第二次世界大戦の大渦が、地球全体をゆるがした。
パリにとっては、パリをドイツ軍に占拠され、ヴィッシーに政権を遷すことを余儀なくされた、闇(という言葉が適切かどうかはわからないけど)の時代。

ルクレール元帥(1902〜1947)は、ピカルディー地方・オートクロック伯爵家の子息ということで、貴族階級出身の軍人。“自由フランス”軍を率い、パリ解放につながるノルマンディー上陸作戦に関わった。
アルジェリアでの飛行機事故で帰らぬ人となった。

ジャン・ムーラン(1899〜1943)は、レジスタンスを指揮した。南仏出身。知識豊かで美術や詩を愛し、イラストレーターとしての顔もあった。1940年からレジスタンス運動に参加、1944年の「パリ解放」に尽力。
ドイツ軍に抵抗姿勢を見せていたため危険な立場にもあった。
1943年にドイツ軍に捕らえられ激しい拷問を受けた。諸々の活動や情勢について守秘を貫きながら、ドイツへ搬送される列車の中で亡くなった。



ふたりは第二次世界大戦の英雄としてフランスでは位置づけられ、特にジャン・ムーランはレジスタンスの象徴となっている。もちろん、他にもパリ解放や世界大戦に関わった人物はたくさんいるわけだが、ふにゃっとした帽子を被ったイメージ画像が印象強く、この人がシンボルとなっている。


第二次世界大戦: 1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻、および、イギリスとフランスのドイツに対する宣戦布告によって勃発。

その後の展開: 1940年、ドイツ軍がパリに入城、フランスは降伏。それから4年間、フランス政権はフランス中部の都市・ヴィッシーに逃れた。
1944年、レジスタンスがパリを奪回し解放となるまでの間、パリはドイツ占領下に置かれた。





2009年11月15日まで開催の企画展、<ドイツ占領時代のパリモード 1940〜1944>がなかなか好評(?)。モード系、アクティビティ系紹介の情報TV番組でも頻繁に紹介されている。
モード美術館のガリエラが協力していることもあり、質が良く、小さな展示会場ながら充実している、そして、この時代のお勉強にも役立ちそう。


1940年代のモードは、1939年のロマンティック・スタイルを引き継ぎ、女性らしいエレガントなシルエットがさらに洗練されたものだった。
特に帽子や靴、バッグは機能面も重視する一方、華やかでデザインも凝っており、現代でも「レトロモダンな装いにいかが?」な雰囲気。


華やかなモードが展開したとはいえ、1940〜1944、この間のフランスは、ナチスのユダヤ人弾圧、食糧難、レジスタンス運動、といった、暗闇の時代だった。

展示品のみ見ていると、ユダヤ人が着けさせられた黄色の星マークバッジ以外からは、ノスタルジックなベルエポックのモード展のような気がしてくる。記録映像と共に流れているキャプションでは、時系列で綴るレジスタンスの活動の様子や、弾圧を受けたユダヤ人の数の記録なども綴られる。それから、音声で軍隊がワァワァ言っていたり、第二次世界大戦に触れパリ解放に向けて動いたレジスタンスの記録などを紹介したパネルを見れば、ドンヨリした時代だったことはわかる。フランス語がわかる場合は興味を持ってみると良い(英語もあったかな)。

でも、占領下でどうやっておしゃれを楽しむんだ?とか、制作はある程度、自由にできたんだな?(※帽子制作の記録映像はおもしろい。)とか、結局、感覚として遠く感じることが多い。要するに、戦争と華やかなモードがどう共存できたのか、イメージできない時代背景だと思った。「薄れる戦争の記憶」ってやつでしょか、だってありがたいことに自分は経験していないからな〜。


こちらにも書いてます
http://jp.mon-paris.info/contents/branche/oyv.html


ルクレール・ド・オートクロク元帥とパリ解放記念館
ジャン・ムーラン美術館

Mémorial du maréchal Leclerc de Hauteclocque et de la Libération de Paris - Musée Jean Moulin
23, allée de la 2e DB Jardin Atlantique 75015
モンパルナス駅上
TEL / 01 40 64 39 44

開館時間:10〜18時
休館:月曜、祝日

美術館は”モンパルナス駅上”に位置している。ビル屋上レベルの、空中庭園の中にある、という感じ。Jardin Atlantiqueの隅に立つ。

jmblog20091017_9128.jpg

[ TB*0 | CO*0 ] page top
DATE: 2009/05/09(土)   CATEGORY: 美術館 le musee
グランパレのアンディ・ウォーホル展
ミッテランの国立図書館で働いている友人に連れて行ってもらった(頼んだんではナイ)。
大きなエクスポジションは集中して見るとものすごく時間がかかるので基本的にはひとりで行きたいが、この人と一緒に行くと特権があって、本人は国立の複数の機関に無料で入場できて、ひとり招待できる。つまりワタシもタダで入ったということでー。グランパレの入場料もずいぶん高いからな。



グランパレ内部。
作品撮影はもちろん禁、「建物だけ撮らせて!」と頼む。




今さらアンディ・ウォーホルぅ?
とも思ったり、いつまでたってもアンディ・ウォーホル!と思ったりして、結局離れられないアンディ・ウォーホル。もう知らないことなんて新たに出て来ないんじゃないの?と心配になるほど(個人的には知らないことだらけでも、研究者にとっては)、作品も本人もコマーシャル化して、こうなると、どうプレゼンテーションするかの競争になってきそう。

ポップアートの先駆者的存在、アンディ・ウォーホル(1928〜1987)。
色彩構成の課題とポップアートの授業を思い出して仕方のない、様々に色を変えてニッコリするマリリン・モンローが、ウォーホルのポートレートとしては世界一有名かもしれないけど、「こんなにやっておったか」と改めて感嘆してしまえる今回のエクスポジションは、ポートレート集。壁一面を覆う巨大な毛沢東や、ダイアナ妃、ミック・ジャガーなど、おなじみだったり、そうでなかったりといった顔が並びまくって圧巻。

gpWarholmao.jpg



ワタシがいちばん良かったのはブリジット・バルドー、どんピシャみたいな色のチョイス(限りなく中間の、パステルに近い甘色、それで、とても広告っぽいコントラスト・・・)と、ムダ無くシンプルに省いていったら出来上がったツートンの最終版コピー(って何なの)の構成が、とても平面で、溶けて無くなってしまいそうな画面になっている。コントラストで目もチラチラしてくる。だんだんブリジット・バルドーかどうかもわからなくなってくる。

そういえば日本人女性をモデルにしたシリーズがあったけど、ハッとしちゃった。というのは、何となく和の色使いだと思えたからで、少しグレー味を帯びた桃色、紅色、小豆色、といったチョイスだったので、誰も気に留めていないかもしれないけどモデルと色が絡まって、すごく完成していると思えた。日本の伝統色をウォーホルが研究したかどうかは全くわからない。でもありうるかもしれない。


gpWarhol6683.jpg



ところで、ジェット・セッター(大金持ち!)たちをどんどんどんどんモデルにしていったわけだが、画商のレオ・カステリで足が止まる。ん〜、レオ・カステリ・・・?

その名前は聞いたことがあるぞ・・・と思ったら、史上最悪のフランス制作ドラマ「PLUS BELLE LA VIE」に出てくる、警察のキャプテンじゃない。こりゃ、意図して拝借したんじゃない?どうだFrance3。
この最悪の大成功ドラマについてはいつか書こうと思っていたが、あまりに酷くて話題にできなかった、だがいつか触れるつもりー。


そんなこんなでキング・オブ・ポップスは、1997年にリヨンで見たツアーが最初で最後!のマイケル・ジャクソンだけど、キング・オブ・ポップアートはアンディ・ウォーホルに決定。





Le Grand Monde d'Andy Warhol
2009年3月18日〜7月13日



gpw6752.jpg

Les Galeries nationales du Grand Palais
グラン・パレ ナショナルギャラリー
3, avenue du General Eisenhower 75008 Paris

↓グランパレ サイト
http://www.grandpalais.fr/fr/Accueil/p-93-Accueil.htm


↓こちらもどうぞ
モンパリ「アンディ・ウォーホルの “社交界” 〜ポートレート・シリーズ〜」
http://jp.mon-paris.info/contents/branche/oyv.html
[ TB*0 | CO*0 ] page top
Copyright © フランス・ななめ見聞録 & La Prose oblique du Japon. all rights reserved. ページの先頭へ